靖国問題専門部会より活動報告
2024年12月13日(金)、高田別院お食堂に於いて開催された「靖国問題専門講座」について報告いたします。
2025年5月17日(土)~19日(月)の三日間、上越市市民プラザに於いて開催された「靖国問題基礎講座」について報告いたします。
本講座は平田真義氏(本願寺派浄光寺前住職)を講師にお招きし、「戦争といのちを考える」をテーマに平田氏所蔵の資料展示、説明・解説をしていただきました。
★概要★
戦後生まれの日本人が総人口の9割近くを占めるようになった今日の日本において、この2025年は戦後80年という節目の年であり、アジア太平洋戦争を知らない世代に、平和の尊さや戦争の悲惨さを伝えるための講座となりました。
平田真義氏には、自らが所蔵する戦争関連資料の約5000点のうち、その一部約600点をこの度の資料として展示していただき、説明や解説していただきました。展示資料の概要は以下の通りです。
- 日中戦争(武漢三鎮陥落報ずる新聞 南京攻略報ずる新聞 等)に関する資料
- 戦争遂行のための政策(八紘一宇 国家総動員法 大政翼賛会 教育統制 等)に関する資料
- 悲惨な戦争実態(真珠湾攻撃 インパール作戦 玉砕 特攻 空襲 原爆 等)に関する資料
- 宗教の戦争加担(大谷派戦時住職手帳 本願寺派貯蓄奨励チラシ 等)に関する資料
- 戦時下の庶民の生活(金属回収 子どもの遊び 国民学校 代用品 等)に関する資料

展示の説明や解説に加えて講義もありました。
1回目 2025年5月17日(土)14:00~
2回目 2025年5月18日(日)10:00~
3回目 2025年5月18日(日)14:00~
4回目 2025年5月19日(月)10:00~

また、三日間の来場者数は以下の通りです。
1日目 2025年5月17日(土) 来場者70人
2日目 2025年5月18日(日) 来場者93人
3日目 2025年5月19日(月) 来場者52人
計215人
★所感★
強烈なインパクトを持って、戦争のリアルを今に伝える実物資料の圧倒的な存在感、そして平田氏わかりやすく丁寧な講話に心酔した。
基礎講座を終えて深く思ったことのひとつ。私達が「靖国問題」に取り組むためには、まさにその基礎として、明治以降日本が戦争に突き進んでいく歴史をしっかり学んでおかなければならないということである。例えば「八紘一宇」という言葉は「音」として聞き覚えはあったが、意味さえ知らず、まして戦争に駆り立てる思想的支柱であったとは知らなかった。歴史の学びを外して、靖国問題は語れないと思った。その意味で今回の靖国問題基礎講座は基礎講座と呼ぶに相応しい内容であったと思う。大変勉強になった。
そしてもうひとつ。真宗大谷派は靖国問題に取り組むというより、「非戦平和」のためにあるいは「兵戈無用」のために、あらゆる活動をする教団であることをもっと市民にアピールし活動すべきと強く思った。会場アンケートで真宗大谷派が靖国問題に取り組んでいることを「知らない」と回答した人が非常に多かったことに愕然とした。
私達は「靖国問題」を、ご門徒の方々に近づけていくことに、ためらいや難しさを感じている。しかし今回のような平田氏の講話や戦争資料の展示は、戦争を厭い、いのちの大切さを思う多くの市民やご門徒の方々の胸を打つ、この上ない機会になったと思う。「非戦平和」前面に押し出せば、真宗大谷派教団の姿勢をもっとすっきりわかりやすく、市民やご門徒の方々にアピールできるのではないかと思った。(8組 臨行寺 宮越)
★最後に★
靖国問題専門部会では、「専門講座」と「基礎講座」を年に1回ずつ実施しております。次年度2025年度も引き続き開催いたしますので、こちらも是非、ご参加ください。詳細は追ってお知らせいたします。