真宗大谷派 新潟教区

Q&A

こちらでは皆様よりよくいただくご質問や、お寺や仏教のこと、よく耳にする仏教用語の意味など、さまざまな情報を載せております。困ったときの参考になれば幸いです。

浄土真宗とはどういう宗派ですか?

親鸞聖人(1173-1263)が開かれた教えにもとづく宗旨です。一切の修行や苦行を止め、ただ「南無阿弥陀仏」と称えて信心を大切にするのが根本的な教えです。

「檀家」とはどういうものなのでしょうか?

元々は江戸幕府の政策によって始められたのが「檀家制度」です。これは一言でいえばお寺の「メンバー」となること。檀家となった方はお寺の建物や境内の管理に伴う維持費の負担などをします。そしてそのご家庭で葬式や法事があった場合は、所属のお寺の住職さんが読経や儀式を行います。ちなみに浄土真宗ではこのメンバーのことを「門徒」といいます。

「通夜」と「葬儀(葬式)」の意味を教えてください。

お通夜はもともと亡くなった方のご遺体を静かに安置して故人を偲ぶ時間のことを言いました。夜通し灯りを絶やさぬようにしたので「通夜」と呼ばれます。電気のない時代は蝋燭や行灯(あんどん)の油を切らさないように見ていなければなりませんでした。そして葬儀(葬式)では、読経の後に火葬(昔は土葬)します。浄土真宗における通夜葬儀とは、故人が迷わずに成仏してもらうための鎮魂の儀式でも、この世を生きる私たちとの単なるお別れの儀式でもありません。亡き方は阿弥陀仏の誓いによって浄土に往生され、仏となられます。残された私たちもいずれ浄土に往生します。その亡き方を縁として、迷いつつも今を生きる私たちが先達の教え(お経や説法)を聞いていく場が通夜葬儀なのです。

身内が亡くなったら、どうすればいいのでしょうか?

実家のご両親や兄弟がおられる場合は所属のお寺(お手次のお寺といいます)があるか尋ねてください。それも分からない場合は親戚などの身寄りの方に聞かれるといいかもしれません。ご実家に所属のお寺があって他のお寺に葬式を依頼された場合、トラブルになることも。もしご実家のお寺が浄土真宗で私どもの「真宗大谷派」だという事が分かり、連絡が取れない場合は、お近くの教務所までお問い合わせください。

法事にはどのようなものがあるのでしょうか?

通夜・葬儀の他には以下のものがあります。

・初七日

しょなのか

命日(亡くなった日)から7日目のお勤め(お経)です。亡くなった日を1日目としてカウントしますので、正確には6日後に行います。同様に7日ごとのお勤めが二七日(ふたなのか)三七日(みなのか)…と繰り返されます。

・四十九日

しじゅうくにち

正式には満中陰(まんちゅういん)七日毎のお勤めの最終締めくくりであり、大切な法事です。七日を七回繰り返して四十九日目に行うので「七七日(しちなのか)」とも言います。

・一周忌〜三十三回忌

いっしゅうき〜さんじゅうさんかいき

亡くなった年度を1年としてカウントし、三回忌・七回忌・十三回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌・五十回忌などがあります。これらは地域によって若干違いもありますので、詳しくは所属のお寺か教区までお問い合わせください。

浄土真宗のお坊さんには、なぜ髪を伸ばしている方がいるのでしょうか。

私たちの宗派を開かれた親鸞聖人のお言葉に『僧にあらず俗にあらず』というものがあります。これはお坊さんや一般の人を区別することのない、「既成の枠にとらわれない生き方」を表します。お坊さんと言えば髪を剃り、山に入って修行しているイメージが一般的と思われますが、その枠にとらわれていては世間一般の生活を送る人々の気持ちが分かりません。かと言って俗世間にドップリとつかると僧侶としての本分を見失います。ですから、髪を伸ばし家庭を持ちながらも仏教の教えを実践していく『第三の道』を歩んでいくのが浄土真宗と言えるのではないでしょうか。

浄土真宗と他の宗派は何が違うのですか?

仏教はもともとインドから中国を経て日本に伝わりました。日本での仏教は現在、大まかには13ほどの宗派に分けられると言われています。その中でも鎌倉時代の法然上人が開かれた浄土宗の系統は「浄土系」と言われ、浄土真宗(西本願寺・東本願寺)や時宗などがあります。それまで、経済的余裕のある貴族・修行を達成できる一部の人だけが救いの対象とされていたのに対し、法然上人は誰でも念仏一つで救われるという教えを開かれました。その教えを受け継いで、さらに「信心」を大切に、お念仏を申すことを伝えたのが親鸞聖人です。他宗のようにたくさんのお経や修行を必要としない。「信心を頂いて、ただ念仏一つで救われる」というのが浄土真宗の代表的な特徴です。

仏教の教えで普段の生活に取り入れられることはありますか?

仏教ブームなどの中では座禅や瞑想などがよく取り上げられますが、浄土真宗ではこれらを「行(ぎょう)」と呼びます。そして、浄土真宗の宗祖の親鸞聖人はそうした行を捨て、ただ阿弥陀如来の本願にお任せする信心一つを選び取られました。ですので、浄土真宗の生活では朝に夕にただ「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と念仏をとなえることが大切になってきます。

お布施はどのくらい包めばいいのですか?

お布施とは元々、粗末な衣服を着て托鉢に出ていた修行者に対して布を施して衣服の足しにしてほしい、というところからこのような言葉になりました。その意味合いは「喜捨(きしゃ)」といい、「喜んで捨てられるほどの想い」で差し出すものです。サービスの対価として支払うものではないので料金は決められておりません。お寺に直接お尋ねいただくか、親戚の方などに聞かれてみてはいかがでしょうか。