新潟教区で宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要が2026年5月24日(日)に新潟テルサ(新潟市)で厳修されます!
新潟教区では「慶讃事業推進委員会」が発足し、慶讃法要に向けて準備が進められています。その中で「広報部会」として「伝道広報室」が携わることになり、その取り組みとして、堀川秀道委員長に「慶讃法要に向けた思い」についてインタビューをしました。
Interview
慶讃法要を迎えるにあたって、今思っていることをお聞かせください。
退職という転機
毎年3月11日は東日本の震災の日で、今でも忘れられない日であります。
2011年3月から本山で宗祖の御遠忌法要が予定されていましたが、11日に東日本大震災が発生しました。私は当時52歳でした。学校に勤めていましたが、自分の親のこともあって、教職を3月いっぱいで退職する予定でした。その直前に地震です。津波の映像を職員室のテレビで見ていました。
原発事故も発生し、世の中が精神的に落ち込むような状況で御遠忌を迎えました。仕事は正直、辞めたくなかったけれども辞めてしまったし、震災により多くの方が亡くなり、世の中がこれからどうなっていくのだろうという不安がある中、私は4月の法要に出仕しました。親鸞聖人の御影の真横の竪畳に座り、手を合わせて「南無阿弥陀仏」と称えました。聖人のお姿を見ながら自然に「ああ、退職してよかったな」という気持ちになりました。
自分は法務に専念するという決断で良かったんだと。私の中で一つの大きな転機になりました。今でもその思いが続いています。
新型コロナウイルスの影響
本山の慶讃法要も新型コロナウイルスの流行が収まった後に勤まりました。私もご門徒の皆さんと一緒にお参りをしました。正直、参詣者が非常に少なかったです。現在の本山を見ても完全に回復してはいないように見受けられます。
新潟教区各別院の報恩講も同様ですが、新型コロナウイルスによるダメージは本山の方が大きいのではないかと思います。また、昨年の2024年1月1日には能登半島地震が発生し、能登地方をはじめ新潟教区内にも甚大な被害をもたらしました。ご寺院もご門徒の皆さんもまだ復興できていない、そんな状況です。

お念仏こそが大きくひろまってほしい
私は2011年の震災のときに、私の人生の節目となり、本山にお参りして、たまたま出仕をして、聖人のお顔を見ながらお念仏を称え、「ああ聖人にお遇いできて良かった」と、本当に思いました。それまであまり考えたことないことです。
でも本当にその時、「お念仏しかない、お念仏しかなかったんだな」と思いました。その思いを今、あまり人には言わないことですが、大事にしています。お念仏にたすけられたんだと。そして、自分はお念仏にたすけられたんだから、この「南無阿弥陀仏」のお念仏こそが大きくひろまって欲しい。そういう願いが、私の基本にあります。